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放射線測定器 Polimaster PM1403 レビュー

放射線測定器 PM1403 を たろうまる さんから無償でお借りすることができたので,使用感などをまとめてみました.

今回はたろうまるさんがポリマスター社から借りたもののレビューになりますので, 箱やマニュアル等がなく,本体のみお借りする形となりました.

たろうまる株式会社について

Polimaster製品の日本代理店で,以前よりレビュー用に Polimaster の測定器を何種類も貸して頂いております.

購入を検討される方は,たろうまるさんのページをご覧下さい.

Polimaster PM1403 について

PM1403 は複数の検出機をオプションで付けることが出来る放射線測定器(ガイガーカウンター)です.
本体には CsI シンチレーション検出器が内蔵されており,本体のみでも使用することが出来ます.

特徴としては,

複数の検出機
複数の検出機が用意されており,本体に付けることでいろいろな測定が可能です.
なお,本体のCsI検出器は~40μSv/hまでです.
内蔵のCsI検出機も十分高感度
Cs137で6000cpm/μSv/hの感度があります.
オプションのNaIシンチレーション検出機の場合は54000cpm/μSv/h異常の感度があります.
スペクトル表示・核種同定可能
本体のみで,スペクトルを表示したり,核種を調べることができます.
また,スペクトルは本体に保存しておき,後でPCから読み出すことも可能です.
探索モード&自動アラーム
探索モードがあります.
汚染箇所に近づくとすぐにアラームが鳴ります.
バックグラウンドの線量との差を自動的に計算し,多段階でアラームが鳴ります.
バックグラウンドの線量は簡単に再学習させることができるので, その場所にあったアラーム設定を簡単に行うことができます.
放射性物質による汚染がありそうな場所にいくときなどは非常に使い勝手が良いと思います.
丈夫
PM1403 は IP65 ですので, 防水規格 IP表記に詳しく記載がありますが,
耐塵形(粉塵が内部に侵入しない)&噴流水に対する保護(いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響をうけない)
というレベルになります.
線量率の推移を記録可能
線量率の推移を本体に記録可能です.最小1分間隔になります.
本体で保存操作をすれば,そのファイルをPCから読み出すことが出来ます.
WiFi・3G・GPS対応
WiFi・3G・GPSに対応しており,NPNETにデータを転送できるようです.
ただし,3G・GPSは現在上手く動かないようで調査中とのことです.

内容物

届いたものは次の写真のようなものです.

PM1403本体と,電源ケーブル,USBケーブルです.
裏面を見るとアンテナが2つ有ります.
長い方がWiFiアンテナ,短い方が3G通信のアンテナのようです.

WiFiや3G通信で,NPNETにデータを転送できるようです.
(ただし,現在上手く動かないようで調査中とのことです.)

また,写真右上の方にある丸い突起部分は,クリップを付けられるようになっているようです.

測定器の上下は次のような感じです.

底部に2つの端子が有り,左側は電源・USB用,右側はオプションの計測器接続用となっています.

上部にはCsI検出器がある場所に+マークがあります.

オプションの計測器

PM1403には以下のようなオプションがあるようです.
今回は本体のみのレビューです.(^^;

大きさ

測定器のサイズは次の写真のような感じで,かなり大きめです.
とはいえ,片手で問題なく持てるくらいのサイズになっています.

いろいろなオプション等と組み合わせて使うことが前提ですので, そう考えると手頃なサイズだと思います.

画面・機能

計測の開始

本体のメニューは下の左写真のようになっています.
このメインメニューで,測定器自体の設定や,保存されている履歴・スペクトルの確認,充電電池の確認などが行えます.

一番上の「Built-In Detector [CsI]」を選ぶと,右の写真のような測定メニューが出てきます.

探索モード

メニューから「Search Mode」を選ぶと探索モードになります.
cpsとμSv/hが同時表示され,線量率が高くなるとアラームが鳴ります.

このモードでメニューを選ぶと,右の写真のようなサブメニューが出てきて, 統計のリセットや,再キャリブレーション(アラーム基準の再設定)などが行えます.

探索モードで,Cs-137線源と,複数の線源を近づけてみました.

6000cpm/μSv/hの感度があるので反応は十分素早いですが, 同じ感度を持つ PM1703MA などと比較すると,ワンテンポ反応が遅い感じがします.
PM1703MA の方は探索専用に設計されているので,より素早い反応になっているのかもしれません.

線量率モード

メニューから「Measurement Mode」を選ぶと線量率モードになります.
線量率の閾値を設定することができ,数値下のメーターは閾値までどのくらいかを表しています.
閾値を超えるとアラームが鳴ります.

スペクトル測定モード

メニューから「Accumulation Spectrum」を選ぶと,スペクトル測定モードになります.
また,「Continue Accumulation」を選ぶと,前回スペクトル測定モードで測定したデータを残したまま, その続きの測定を行うことが出来ます.

一時的に線量率モードなどに移動した後でも,スペクトルの測定を再開できるようになっています.

スペクトル測定モードにすると,最初にカウントレートの確認画面になります.
カウントレートが低すぎたり高すぎる場合は,線源との距離を調整してからOKを押して測定するのが良いようです.

スペクトルの測定を開始すると,約10秒毎に画面が更新されます.
以下はCs-137線源を測定した時の,20秒後と10分後の画面です.

スペクトルモードでのサブメニューは次のような感じです.

「Save As」でスペクトルを保存できます.
下の左写真のような画面で,本体内メモリに保存することができ, 後でPCに接続して取り出すことが出来ます.
ファイル保存形式は,speファイルとxmlファイルの2種類です.

ファイル名を選ぶとソフトウェアキーボードが出てきて,カーソルで任意の文字を入れられるのですが, これはなかなか入力が大変です.
とりあえずデフォルトの時刻のファイル名で保存して,後でリネームするのが楽だと思います.(^^;

「Identify」で核種同定を行います.
テキストで表示されるのですが,下記写真の左が最初の部分, 右がスクロールさせて核種の部分を表示させたものになります.

キャプチャではCs137とCs109を検出していますが,Cd109は誤検出です.

CsIのエネルギー分解能では,近いピークを持った核種は誤判定してしまうので, Identifyの結果はそのまま信用できませんので,注意が必要です.
(これは他のNaI・CsIシンチタイプの測定器でも同様です.)

スペクトル表示画面では,拡大縮小ができ,赤いカーソル線を移動させることも出来ます.
カーソルをピーク部分にあわせて「Peak Info」を実行すると,右の写真のようにピーク情報を表示させることができます.

ただし,このカーソル移動はかなりゆっくりで,ピーク部分までカーソルを持って行くのに少し待たされます.(^^;
画面の右端・左端にはボタン1つで移動できるので,適度に拡大してから移動すれば比較的早く目的の場所にカーソルを持って行けます.

クイック核種同定

「Quick Identify」を選ぶと,スペクトルを測りながら核種同定を実行し, 判定できた核種をすぐに表示します.

最初に左のようなカウントレートの調整画面が出て,実行すると右の写真のように上に同定結果, 下にスペクトルが表示されます.

設定

「Instrument Settings」メニューを選ぶと,以下のような画面になり,いろいろな設定を行うことが出来ます.

以下の左の写真は History の設定画面で,ここで線量率のログへの記録間隔を設定できます.
右の写真はアラームの設定で,音量などを設定できます.

線量率のログ記録

線量率のログを記録することができ,本体で表示したり,PCでダウンロードすることが出来ます.
本体で履歴を表示すると,左の写真のようになります.
ログがたくさんあると,表示まで少し待たされます.

サブメニューでは,中央のような画面が出て,ここでファイルに保存することが出来ます.
保存操作をするとファイルが作られるので,PC側からそのファイルを取得することが出来ます.

電池残量

メニューから「Power Status」を選ぶと電池残量を確認できます.
2つバッテリーがあり,1つめは測定器本体用,2つめは検出器用と使い分けられているようです.

フル充電で8時間使えます.

PCとの通信

PM1403 では,他のPolimaster機と違い,専用のソフトウェアを使いません.
PM1403 自体が Windows機になっているようで,Windows XP なら「Microsoft ActiveSync」, Windows Vista/7 なら「Windows Mobile Devices Center」をインストールします.

このソフトで接続すると,測定機内に保存したファイルを参照することが出来ます.

以下は Windows7 の Windows Mobile Devices Center の起動画面です.
ここでデバイスのコンテンツの参照をクリックします.

そうすると,以下のような形でエクスプローラでPM1403内のファイルを見ることが出来ます.
history.txt は線量率の履歴を保存したもので,Spectraフォルダの中に保存したスペクトルがあります.
これをエクスプローラでPCにコピーすることで取り出すことが出来ます.

履歴ファイル

線量率の履歴ファイルは,txtファイルで以下のような形式です.

9:03 AM#3/17/2012#257#S#8###
9:03 AM#3/17/2012#258#M#0.064341###
9:04 AM#3/17/2012#257#S#8###
9:04 AM#3/17/2012#258#M#0.119701###
9:04 AM#3/17/2012#257#A#27###
9:05 AM#3/17/2012#257#S#8###
9:05 AM#3/17/2012#258#M#0.069860###

#区切りで,時刻,日付,数値の種類(257がcps,258が線量率のようです),同じく数値の種類(Sはcps,Mは線量率,Aはアラーム発生), その後に測定値が出るようです.

上記の他にも,CやRなど,測定器のリセット動作なども記録されるようです.

測定値は下6桁まであり,数値をみるとかなりふらついています.
画面表示する数値とは異なり,生の数値を記録しているのかもしれません.

東京都品川区のマンション内でのバックグラウンドは次のようになっていました.
記録ではかなりふらついていますが,測定器ではこういうときもずっと8cps,0.06Sv/hなどと表示している感じです.

7:30 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:30 AM#2/22/2012#258#M#0.067327###
7:31 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:31 AM#2/22/2012#258#M#0.042038###
7:32 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:32 AM#2/22/2012#258#M#0.056733###
7:33 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:33 AM#2/22/2012#258#M#0.077417###
7:34 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:34 AM#2/22/2012#258#M#0.067118###
7:35 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:35 AM#2/22/2012#258#M#0.085572###
7:36 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:36 AM#2/22/2012#258#M#0.089077###
7:37 AM#2/22/2012#257#S#9###
7:37 AM#2/22/2012#258#M#0.111469###
7:38 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:38 AM#2/22/2012#258#M#0.071366###
7:39 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:39 AM#2/22/2012#258#M#0.054584###
7:40 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:40 AM#2/22/2012#258#M#0.088058###
7:41 AM#2/22/2012#257#S#9###
7:41 AM#2/22/2012#258#M#0.054625###
7:42 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:42 AM#2/22/2012#258#M#0.070047###
7:43 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:43 AM#2/22/2012#258#M#0.070171###
7:44 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:44 AM#2/22/2012#258#M#0.064760###
7:45 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:45 AM#2/22/2012#258#M#0.067883###
7:46 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:46 AM#2/22/2012#258#M#0.068360###
7:47 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:47 AM#2/22/2012#258#M#0.113918###
7:48 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:48 AM#2/22/2012#258#M#0.090117###
7:49 AM#2/22/2012#257#S#8###
7:49 AM#2/22/2012#258#M#0.118028###

また,鉛ブロックの中に入れておいた記録は次のようになっています.
cpsはほぼ1ですが,0になったときもSv/hは0にはなっていませんので, 生といっても何らかの計算処理がされた後なのだ思います.

11:10 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:10 AM#3/17/2012#258#M#0.029707###
11:11 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:11 AM#3/17/2012#258#M#0.023641###
11:12 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:12 AM#3/17/2012#258#M#0.023197###
11:13 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:13 AM#3/17/2012#258#M#0.005763###
11:14 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:14 AM#3/17/2012#258#M#0.010635###
11:15 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:15 AM#3/17/2012#258#M#0.009808###
11:16 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:16 AM#3/17/2012#258#M#0.026904###
11:18 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:18 AM#3/17/2012#258#M#0.016336###
11:19 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:19 AM#3/17/2012#258#M#0.040772###
11:20 AM#3/17/2012#257#S#0###
11:20 AM#3/17/2012#258#M#0.023416###
11:21 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:21 AM#3/17/2012#258#M#0.032384###
11:22 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:22 AM#3/17/2012#258#M#0.004374###
11:23 AM#3/17/2012#257#S#0###
11:23 AM#3/17/2012#258#M#0.021104###
11:24 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:24 AM#3/17/2012#258#M#0.021682###
11:25 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:25 AM#3/17/2012#258#M#0.039509###
11:26 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:26 AM#3/17/2012#258#M#0.023728###
11:27 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:27 AM#3/17/2012#258#M#0.016835###
11:28 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:28 AM#3/17/2012#258#M#0.016395###
11:29 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:29 AM#3/17/2012#258#M#0.018165###
11:30 AM#3/17/2012#257#S#1###
11:30 AM#3/17/2012#258#M#0.024916###

線量率マップを作る場合などは,少し平均化のフィルタなどをかけないと良い結果が得られないと思います.
NPNETを使えば,この辺もうまくやってくれるのだと思います.)

スペクトル測定例

手持ちの線源のスペクトルを測定しました.
それぞれ,SPViewerでみれるようにしてあります.
下記リンク先から閲覧できます.

Polimaster PM1403 スペクトル

スペクトルファイルの中を見ると,PM1703MO-1A/Bではエネルギー計算の係数が ax + b 形式の一次関数だったのに対し, PM1403 は ax^2 + bx + c 形式の二次関数になっていました.
より正確なエネルギーになるように校正されているようです.

近所のホットスポット測定

近所のホットスポットも測定してみました.

場所はこんな場所で,水が流れるところです.
線量はおおよそ1μSv/hくらいあり,ここで約10分間スペクトル測定をしました.

持ち帰ってからIdentifyした結果が上の右図です.
Cs134は核種ライブラリが未対応なので検出できていません.
(PM1703MO-1A/Bの場合,ライブラリ差し替えで対応できたので,こちらの機種も出来るかもしれません)

SPViewerで表示したスペクトルは以下のようになっていて, Cs134の低い方とCs137がくっついたピークと,Cs134の高い方のピークが確認できました.
線量は福島事故によるものと確認できます.

SPViewerで表示

GM管検出機 BDG2

たろうまるさんから,検出機オプション BDG2 もお借りすることが出来ましたので,使ってみました.
BDG2 は,エネルギー補償タイプのγ線用GM管検出機です.

0.1μSv/h~10Sv/h と高線量まで測定することが出来ます.
(内蔵のCsIは~40μSv/hまで)

お借りした BDG2 は以下のような形です.
本体の左のケーブルが,BDG2 と PC を直接接続するケーブル, 本体の右側のケーブルが BDG2 と PM1403 を接続するケーブルです.

BDG2 は,PM1403 を使用しなくても,PC と接続して使えるようです.
開発者向け仕様公開でSDKが公開されていますので, こちらを使うと BDG2 を直接PCから利用できるようです.

本体には,2つのLEDが付いています.
お借りしたものはLEDランプの位置がずれていましたが(^^; 本体側でアラームや動作の状態をみれるようになっています.

PM1403 に接続すると次のような感じになります.

本体に接続すると,メニューの中に BDG2 の選択肢が増えます.
BDG2 を選び,測定モードを選ぶと BDG2 側での測定が行えます.

BDG2 に線源を近づけると,PM1403 と BDG2 の両方からアラーム音が鳴ります.
BDG2 は単体でも利用できるためか,両方にアラームブザーが搭載されているようです.

また,PM1403 に接続して,内蔵の CsI 検出器を使っている間も,BDG2 本体には電力が供給されているようで, アラームが鳴るようになっています.
ただし,ログは画面に表示されている方しか記録されないようです.

反応速度

探索モードで,Cs-137線源と,複数の線源を近づけてみました.

探索向けの測定器ではないので,反応速度はあまり速くありません.
アラーム音はPM1403本体と,BDG2の検出器で別々に鳴ります.

線量率の比較

室内で,本体内蔵のCsIとBDG2検出器で測定をしてみたところ,次のような結果になりました.
最初は交互に統計をリセットし,約10分ずつ測定しました.
途中で,リセットしなくても両方の測定値が残っていることに気づいたので,その後は両方でリセット→10分後に確認の流れで測りました.
比較用に,同時にPM1703MAでも測定し,結果を併記しています.

時刻 PM1403・内蔵CsI PM1403・BDG2 PM1703MA
18:21 0.05μSv/h 0.06μSv/h
18:32 0.14μSv/h 0.05μSv/h
18:43 0.07μSv/h 0.05μSv/h
18:54 0.13μSv/h 0.05μSv/h
19:10 0.05μSv/h 0.12μSv/h 0.05μSv/h
19:25 0.06μSv/h 0.11μSv/h 0.05μSv/h
20:12 0.06μSv/h 0.12μSv/h 0.06μSv/h
20:23 0.05μSv/h 0.14μSv/h 0.05μSv/h
20:53 0.05μSv/h 0.13μSv/h 0.05μSv/h
21:04 0.06μSv/h 0.11μSv/h 0.06μSv/h
21:16 0.05μSv/h 0.10μSv/h 0.05μSv/h
21:27 0.05μSv/h 0.11μSv/h 0.06μSv/h
21:38 0.06μSv/h 0.12μSv/h 0.06μSv/h
21:49 0.05μSv/h 0.11μSv/h 0.05μSv/h
22:00 0.06μSv/h 0.13μSv/h 0.06μSv/h



BDG2 の方が,本体よりだいぶ高い数値になっています.

鉛ブロックの中に BDG2 を入れて測定すると,0.07μSv/hくらいありましたので, このくらい上乗せされているようです.
測定範囲が0.1μSv/h~ですし,最大10Sv/hまでの高線量向けに調整がされているようです.
エネルギー補償ありの正確な線量率を測れる検出器ですが,ごく僅かな放射線量ではズレが大きいようです.

室内で使用していると,時々アラームが鳴ることがありました.
本体のCsIでも数日に1回くらいは一瞬なることがありますが,BDG2だと1日に何回もなる感じです.
感度が低いため,0.1μSv/h以下のような低線量では,放射線のランダムさの影響をうけて,線量率が上がったと誤判定してしまうようです.
この辺からも,あまり低線量で使うことが想定されていないオプション検出機といえそうです.

エネルギー別の感度

PM1403では,cpsと線量率表示が同時に確認できます.
本体のCsI検出器,オプションのBDG2検出機で,いろいろな線源でその関係を調べたところ,次のようになりました.
内蔵のCsIでもcps/μSv/hが一定ではないので,簡易的なエネルギー補償はされているようです.
また,オプションのBDG2はエネルギー補償GM管の特性のため,エネルギーによる感度変化があまりない事が確認できます.

線源 主要エネルギー 内蔵CsI BDG2
cps μSv/h cps/μSv/h cps μSv/h cps/μSv/h
Cd-109 88.0keV 40 0.12 333.33 0.35 0.29 1.21
Ba-133 122.1keV 1360 6.62 205.44 2.43 3.32 0.73
Cs-137 661.6keV 210 2.55 82.35 2.10 2.48 0.85
Mn-54 834.8keV 538 9.33 57.66 3.73 4.59 1.04
Co-60 1173.2keV・1332.5keV 1010 31.30 32.27 15.51 19.16 0.81
Na-22 1274.5keV 2284 37.00 61.73 20.26 26.40 0.77

まとめ

いろいろな検出機をつなぎ替えることで,色々な放射線について測定が出来ます.

普通の個人として使うことはなさそうな機種ですが,業務で色々な測定をする際には良い機種なのだと思います.
特にオプションの測定器の,高感度のNaI検出機,エネルギー分解能の高いLaBr3検出機,α・β線検出機,中性子線検出機と何でもありますので, オプションを揃えればほとんどの測定はこれ1台でできてしまうと思います.

代替機貸し出しサービス

たろうまるさんでは,測定器故障中に代替機の貸し出しサービスを行っているそうです.
PM1610またはPM1621がレンタルされるとのことです.
PM1703MO-1B の代わりにはなりませんが,測定器1台しか持っていない場合には安心できるサービスだと思います.

リンク