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ガイガーカウンターの自己ノイズ 第2回 (2011/10/11)

ガイガーカウンターには自己ノイズがあって,低線量では高めに数値が出るという話を聞きます.

それを確かめるべく,鉛ブロックで囲み,9つの機種を中に入れて線量を測ってみました.
今回はそれぞれ何回か測定して,数値のばらつきも確認しました.

通常であれば,複数回測定して平均値を取るべきなのですが,今回は0.00になるかどうか?という視点で調べたので, 表示された中の線量率のうち,小さいものをピックアップして記載しています.
(あまりに値がばらつく場合は範囲で記載しています)

自己ノイズとして平均的に加算される線量率として見た場合,下記の数値は正しくなく, 実際はもっと大きな差があることになりますので,ご注意ください.

測定結果

機種検出器線量
HORIBA PA-1000 Radi シンチレーション式 0.001~0.004μSv/h
クリアパルス Mr.Gamma A2700 シンチレーション式 0.000~0.002μSv/h
RADEX RD1503 ガイガーミュラー管 0.02~0.09μSv/h
RADEX RD1008 ガイガーミュラー管 0.02~0.04μSv/h
Polimaster PM1621 ガイガーミュラー管 0.03μSv/h
Polimaster PM1703MA シンチレーション式 0.00μSv/h
Polimaster PM1703MO-1B シンチレーション式+GM管 0.00μSv/h
RAE Systems DoseRAE2 シンチレーション式 0.01μSv/h
テクノAP TA100U 半導体式 0.00~0.01μSv/h

測定回数などは厳密ではないので,あくまで一例としてみていただければと思います.

Polimaster PM1703系は0.00μSv/hにすぐになることを確認できるのですが, RADEX RD1503 などはふらつきが大きかったので,試した回数も多めです.

シンチレーション式のものは,やはり全般的に0.00~0.01μSv/h程度となっており,自己ノイズのようなものがほとんど無いことが分かります.

ガイガーミュラー管でも,機種毎に差はあるようです.
試した中では,RD1503 は大きめに表示される傾向があるように感じました.
この結果からも,ガイガーミュラー管をつ買った測定器では,0.1μSv/h以下などの低線量での測定時は,0.02~0.03くらいは高めに出ると考えた方が良さそうです.

PM1703MO-1Bはシンチレーション式&ガイガーミュラー管の両方搭載タイプですが, 線量率の表示についてはシンチレーション式の検出器の方を使っているようです.

前回はPM1610,PM1405を測っていますので,こちらもあわせて参考にして下さい.
やはり同じような傾向があるようです.

参考:ガイガーカウンターの自己ノイズ (2011/08/02)


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