JLOD配列 (Japanese Layout on Dvorak)

最終更新：2009/2/22

JLOD配列について

JLOD配列は，Dvorak配列のキーボードをベースに，ローマ字入力に近い形で効率よく日本語入力を行える配列です．
Dvorak配列により英語の入力を効率化した際に，日本語の入力もそれに近い形で効率化できるように考案しました．

Dvorak配列はQwerty配列より楽に高速に英字を入力できる配列です．海外ではそれなりに認知度があるようです．Aki:zさんによるDvorak配列の解説

JLOD配列は，ACT配列をベースとし，ACT配列（M1版）で拡張ルールを整理した後，蒼星配列のアイディアを一部取り入れたものです．

特徴

• Dvorak配列に加えて比較的少ないルールを覚えれるだけで，日本語も効率よく入力できます．（多数の新しいキー位置を覚え直す必要がありません）
• あ行，省略打ち以外はすべて右手→左手となっており，左右交互に打ちますので，打ちやすく，高速にタイプ出来る可能性が高くなっています．
• 母音＋ん，二重母音（あい，おう，等），○ょう，○ゅう，○ゅつ，など，漢字熟語でよく出てくる読みを少ないキータイプで打てる省略入力が可能です．（覚えなくても入力は出来るので，後から練習して速度を上げられます．）
• シフトキーや同時押しは使いません．そのため練習をすることでタイピング速度を上げやすくなっています．

• 例外を出来るだけ無くし，ルール付けが出来るようになおしました．
• ぱ行，や行の入力の子音は右手の別の文字を使います．そのためいくつかルールが変更されています．
• 二重母音キーとして[Y]を使用します．[Y]は拗音化キーとしては使えません．
• 拗音化キーがすべて同段のものを使う形で整理されています．
• 母音＋「き」「く」「つ」「っ」の省略打ちが追加されています．
• ルール付けされていない省略入力は，右手で1打目と2打目が別段の2ストロークのものに集約されました．

JLOD配列を使う：DvorakJ

QWERTY 排列 から Dvorak 排列 への移行に関する覚書のページにある DvorakJ で，JLOD配列に変更することが可能です．
blechmusikさんがフリーで公開されており，無償で利用できます． 起動してJLOD配列を選ぶだけで配列が切り替わります．

JLOD配列を使う：姫踊子草

以下より姫踊子草用の定義ファイルをダウンロードできます． JLOD.hmo_kana
姫踊子草はシェアウェアとなっていますが，上記のように配列をファイルで定義するため，自分用にカスタマイズすることが可能です．

練習の仕方

JLODは入力ルールがかなり多いので，新しく覚えようとする人のために項目毎に重要度をわけました．
まずは，Dvorak配列を覚え，★★★のキー配列をマスターしましょう．
撥音拡張・2重母音拡張・拗音拡張，どれもルールに従って配置されているので，そのルールを覚えるようにしてください．キーの図面はルールの確認と思って見てもらう方が良いと思います．（ただし，一部，ふぁ行，う゛ぁ行，うぉ，の入力は多少変則的です．）
★★★になれたら，★★を覚えましょう．★★のキー配列もルールに従って配置されていて，覚えると「しょう」「しゅつ」「りょく」などが2キー〜3キーで入力できるようになり，漢語の入力が非常にやりやすくなります．
★はすべてマスターした後で十分です．この配列はルールが無く，暗記するしかありません．従って，自分がよく使う語を，姫踊子草の配列を編集して使うと良いと思います．このM1版の配列そのままが使いやすいとは限りません．

• ★★★：覚えないと文章を打つのに不十分です．
• ★★：JLOD配列を活用するためには覚えてくことが望ましい項目です．
• ★：JLOD配列にある程度なれてからでもよいと思われる項目です．

この中での言葉の定義

清音

「あ」「み」など，濁点「゛」・半濁音符「°」がつかない文字

濁音

濁点「゛」がつく文字

半濁音

半濁音符「°」

促音

がつく文字

撥音

「っ」

拗音

「ゃ」「ぃ」など「っ」以外の小さい文字

長音符

「ー」

★★★：基本的な打ち方・撥音拡張

• 拗音，ぱ行，や行以外はほぼ通常のローマ字と同じです．
• 清音，濁音，半濁音は「ぱ行」「や行」「か行」を除いて普通のローマ字と同じです．「か行」の子音キーは[C]，「や行」の子音キーは[V]，「ぱ行」の子音キーは[F]となります．また，例：か【CA】，や【VA】，ぷ【FU】
• 促音「っ」は，左手上段小指の[']キーです．通常のローマ字のように子音を2度打ちするのではありません．(Dvorak配列の実装によっては左手上段小指のキーが[*]となるものもあります．)
• 撥音「ん」はほとんどの場合，撥音拡張（[;][Q][J][K][X]キー）で入力できます．撥音拡張は母音の下のキーになります．単独の「ん」を入力するには [N][N] と打ちます．
• 拗音は次節以降のようにJLOD独自の打ち方となります．通常のように[子音キー]＋[Y]＋[母音キー]では打てません．拗音文字(ゃゅょぁぃぅぇぉゎヵヶっ)を単独で入力するには [L] を前置します．
• 外来語に出てくる長音符「ー」は[P]キーまたは[-]キーを使います．Dvorak配列では[-]キーは[S]キーの１つ右です．
• 句読点は[,][.]キーを使います．

例
天使【TJSI】or【TENNSI】
カード【CA-DO】
暗記【;CI】
過去【CACO】，聞く【CICU】
夜【VORU】，ヤカン【VAC;】
ピンク【FXCU】，ペチコート【FETICOPTO】

※わ行は「わ/を/うぇ/う/うぃ」「わん/うぉん/うぇん/うん/うぃん」「わい/うぉう/うぇい/うう/うい」となります．「うぉ」は[W][V][O]で入力します．

★★★：2重母音拡張

• 二重母音拡張は母音の上のキー．母音キーと組み合わせた場合のみ（2ストローク目以降）使用できます．

2ストロークめあるいは3ストロークめの[母音キー]を打つ代わりに，[撥音拡張キー]あるいは[2重母音拡張キー]を打つことで，それぞれ「母音+ん」，あるいは「2重母音」を入力することができます．

例
端麗【T;R.】
恋愛【RJAI】※【RJ'】とは打てない

★★★：拗音の打ち方(い行＋ゃぃゅぇょ)

拗音は[子音キー]＋[拗音化キーA]＋[母音キー]の3ストロークで入力します．

通常のローマ字綴りでは拗音化キーは[Y]キーでした．JLODでは，拗音化キーAは子音キーと同じ段(同じ並び)の右手人差し指か薬指のどちらか打ちやすい指，になります．[Y]キーは使えません．

• 第1ストロークが中指，薬指，小指の場合は，拗音化キーAは右手人差し指となります．
• 第1ストロークが人差し指の場合は，拗音化キーAは右手薬指を使います．

例
情緒【ZM,THO】，百歩【HNA'FO】
平壌【FRQV;】

拗音化キーAとして右手人差し指キー(G,H,M)を使うもの

拗音化キーAとして右手薬指キー(R,N,V)を使うもの

★★★：拗音の打ち方(う行＋ぁぃぅぇぉ)

拗音は[子音キー]＋[拗音化キーB]＋[母音キー]の3ストロークで入力します．

通常のローマ字綴りのように[F][V]キーなどでは入力できません．で

• 第1ストロークが中指，薬指，小指の場合は，拗音化キーBは右手薬指となります．
• 第1ストロークが人差し指の場合は，拗音化キーBは右手人差し指を使います．

例
ファイト【HH'TO】，ウォン【WVQ】

拗音化キーBとして右手人差し指キー(G,H,M)を使うもの

拗音化キーBとして右手薬指キー(R,N,V)を使うもの

★★★：拗音の打ち方(え行＋ゃぃゅぇょ)

拗音は[子音キー]＋[拗音化キーB]＋[母音キー]の3ストロークで入力します．

通常のローマ字綴りでは[H]キーを用いる表記は，JLODでは，子音キーと同じ段(同じ並び)の右手人差し指か薬指のどちらか打ちにくい指（い行＋ゃぃゅぇょの場合とは異なる指），で入力します．[H]キーは使えません．

• 第1ストロークが中指，薬指，小指の場合は，拗音化キーBは右手薬指となります．
• 第1ストロークが人差し指の場合は，拗音化キーBは右手の人差し指を使います．

例
ディープ【DHI-FU】，ティンカーベル【TNXCA-BERU】

拗音化キーBとして右手人差し指キー(G,H,M)を使うもの

拗音化キーBとして右手薬指キー(R,N,V)を使うもの

★★：頻出拗音の省略打ち

• 「しゅう」「しょう」などのよく出てくる拗音は，同じ段の2ストロークで打てます．
• ゅう：[子音キー]＋[同段中指]
• ょう：[子音キー]＋[同段小指]

拗音では，「uu」「ou」という2重母音を取るケースが多いです．前述の2重母音拡張を使えば3ストロークで打つことはできます．しかし，なるべくホームポジションに置いておいた方が楽なので，片手の2ストロークだけで打てる省略形を用意しています．

★★：拗音＋ク・ツの省略打ち

• 「しゅう」「しょう」などのよく出てくる拗音は，同じ段の3ストロークで打てます．
• 拗音+く：3ストロークめを右手の母音と対称位置の指で打つ
• 拗音+つ：3ストロークめを右手中指で打つ
• ゅく：[子音キー]＋[拗音化キー]＋[同段人差し指]
• ょく：[子音キー]＋[拗音化キー]＋[同段薬指]
• ゃく：[子音キー]＋[拗音化キー]＋[同段小指]
• ゅつ：[子音キー]＋[拗音化キー]＋[同段中指]

拗音のあとにツが来るものは，Ｔのイメージから，3ストロークめに中指を使います．

★★：母音＋「き」「く」「つ」「っ」の省略打ち

[子音キー]＋[省略キー]＋[母音キー]の3ストロークで入力します．

子音キーと同じ段(同じ並び)の同じ側の手の人差し指で一番中央列のキーを使用します．

• 中央段に関しては，母音＋「つ」が入力できます．
• 下段に関しては，母音＋「っ」が入力できます．
• 上段に関しては，え段は母音＋「き」，それ以外は母音＋「く」が入力できます．
• あ行，ふぁ行，う゛ぁ行に関してはこの省略打ちは出来ません．

例
聞く【CFY】，極楽【GF,RF'】
実質【ZBXSDI】，発達【HD:TDA】

省略キーとして右手人差し指キー(F,D,B)を使うもの

★：頻出語句の省略打ち

• 右手の子音キーを，別々の段で２つタイプすることにより，頻出語句を入力します．

よく使う語句を簡単に入力できるようにしています．この部分の語句は人により頻度が違うと思いますので，自分用にカスタマイズした方がよいと思います． 他の基本ルールと混ざらないよう，同段のキー２つには割り当てないようにしています．

※左側が１打目，上側が２打目を表しています．

運指からの逆引き

子音側を打った後の運指を，指の位置からまとめたものです．

JLOD配列の利用に関して

JLOD配列を利用するソフトウェアを作成したり，キー配列図を他Webページで利用するのは自由です．HTMLをコピペして利用していただいてもかまいません．