ACT配列（M1版） 最終更新：2005/7/18

ACT配列（M1版）の更新を続けていくにあたり，基本的な子音キーの配置まで変更することになったため，ACT配列を名乗るには違いが大きすぎると判断し，JLOD配列と名称を変えることにしました．
子音キーの配列を変えるまえのバージョンとしてACT配列（M1版）のページは残しますが，今後の更新は無い予定です．

ACT配列は，Dvorak配列のキーボードをベースに，ローマ字入力に近い形で効率よく日本語入力を行える配列です． Dvorak配列により英語の入力を効率化し，それに一部の拡張をすることで日本語も効率化できるのが特徴です．
ACT配列（M1版）は，オリジナル版をわたしが改変したもので，覚える拡張ルールをシンプルにし，（おそらく）習得を容易にしたものです．
規則化されたルールは，一番最後に運指別でのまとめもあるので，覚える際に参考にしてください．

本家版よりの変更点

• 例外を出来るだけ無くし，ルール付けが出来るようになおしました．
• ぱ行，や行の入力の子音は右手の対称位置のキーで行います．ACTオリジナルの互換打ちに近い内容になります．左手子音キーは使えません．
• ぴゃ行の入力の２ストローク目が [N] から [,] へ
• 二重母音キーとして[Y]を使用します．[Y]は拗音化キーとしては使えません．
• 母音＋「き」「く」「つ」「っ」の省略打ちが追加されています．

姫踊子草定義ファイル

以下より姫踊子草用の定義ファイルをダウンロードできます． ACT_M1.hmo_kana

練習の仕方

ACTは入力ルールがかなり多いので，新しく覚えようとする人のために項目毎に重要度をわけました．
まずは，Dvorak配列を覚え，★★★のキー配列をマスターしましょう．
撥音拡張・2重母音拡張・拗音拡張，どれもルールに従って配置されているので，そのルールを覚えるようにしてください．キーの図面はルールの確認と思って見てもらう方が良いと思います．（ただし，一部，ふぁ行，う゛ぁ行，うぉ，の入力は多少変則的です．）
★★★になれたら，★★を覚えましょう．★★のキー配列もルールに従って配置されていて，覚えると「しょう」「しゅつ」「りょく」などが2キー〜3キーで入力できるようになり，漢語の入力が非常にやりやすくなります．
★はすべてマスターした後で十分です．この配列はルールが無く，暗記するしかありません．従って，自分がよく使う語を，姫踊子草の配列を編集して使うと良いと思います．このM1版の配列そのままが使いやすいとは限りません．

• ★★★：覚えないと文章を打つのに不十分です．
• ★★：ACT配列を活用するためには覚えてくことが望ましい項目です．
• ★：ACT配列にある程度なれてからでもよいと思われる項目です．

この中での言葉の定義

清音

「あ」「み」など，濁点「゛」・半濁音符「°」がつかない文字

濁音

濁点「゛」がつく文字

半濁音

半濁音符「°」

促音

がつく文字

撥音

「っ」

拗音

「ゃ」「ぃ」など「っ」以外の小さい文字

長音符

「ー」

★★★：基本的な打ち方

• 拗音，ぱ行，や行以外はほぼ通常のローマ字と同じです．
• 清音，濁音，半濁音は「ぱ行」「や行」「か行」を除いて普通のローマ字と同じです．「か行」の子音キーは[C]となります．また，「ぱ行」「や行」は右手側の対称位置の子音キーを使います．例：か【CA】，や【YS】，ぷ【PH】
• 促音「っ」は，左手上段小指の[']キーです．通常のローマ字のように子音を2度打ちするのではありません．(Dvorak配列の実装によっては左手上段小指のキーが[*]となるものもあります．)
• 撥音「ん」はほとんどの場合後述の撥音拡張で入力できますが，単独の「ん」を入力するには [N][N] と打ちます．
• 拗音は次節以降のようにACT独自の打ち方となります．通常のように[子音キー]＋[Y]＋[母音キー]では打てません．拗音文字(ゃゅょぁぃぅぇぉゎヵヶっ)を単独で入力するには [L] を前置します．
• 外来語に出てくる長音符「ー」は[-]キーを使います．Dvorak配列では[-]キーは[S]キーの１つ右です．

例
過去【CACO】，聞く【CICU】
国家【CO'CA】，結果【CE'CA】
天使【TJSI】or【TENNSI】
表記【HNOUCI】or【HILYOUCI】，略【RGACU】or【RILYACU】
カード【CA-DO】

★★★：撥音拡張と2重母音拡張

• 撥音拡張は母音の下のキー．単独でも使用できます．
• 二重母音拡張は母音の上のキー．母音キーと組み合わせた場合のみ（2ストローク目以降）使用できます．

2ストロークめあるいは3ストロークめの[母音キー]を打つ代わりに，[撥音拡張キー]あるいは[2重母音拡張キー]を打つことで，それぞれ「母音+ん」，あるいは「2重母音」を入力することができます．

注：2重母音は，単独では使えません．「あい」と打ちたい場合は ['] ではなく [A][I] と打ちます．

例
端麗【T;R.】
恋愛【RJAI】※【RJ'】とは打てない

ぱ行，や行以外

※わ行は「わ/を/うぇ/う/うぃ」「わん/うぉん/うぇん/うん/うぃん」「わい/うぉう/うぇい/うう/うい」となります．「うぉ」は[W][M][O]で入力します．

ぱ行，や行

★★★：拗音の打ち方(い行＋ゃぃゅぇょ)

拗音は[子音キー]＋[拗音化キー]＋[母音キー]の3ストロークで入力します．

通常のローマ字綴りでは拗音化キーは[Y]キーでした．ACTでは，子音キーと同じ段(同じ並び)の同じ側の手の人差し指か薬指のどちらか打ちやすい指，としています．[Y]キーは使えません．

• 第1ストロークが中指，薬指，小指の場合は，拗音化キーは同じ側の手の人差し指となります．
• 第1ストロークが人差し指の場合は，拗音化キーは同じ側の手の薬指を使います．

例
情緒【ZM,THO】，百歩【HNA'PN】
平壌【P,VYZ】

拗音化キーとして右手人差し指キー(G,H,M)を使うもの

拗音化キーとして右手薬指キー(R,N,V)を使うもの

拗音化キーとして左手薬指キー(,)を使うもの

★★★：拗音の打ち方(う行＋ぁぃぅぇぉ)

ローマ字と同様の[F][V]キーを使うか，[子音キー]＋[拗音化キー]＋[母音キー]の3ストロークで入力します．

子音キーと同じ段(同じ並び)の同じ側の手の人差し指か薬指のどちらか打ちやすい指，としています．

• 「うぉ」は子音キーとして[W]を使い，拗音化キーに[M]を使います．ただし，[W][M][U]は「う」になります．
• ふぁ行，う゛ぁ行は，ローマ字と同様に[子音キー]＋[母音キー]でも入力できます．ただし，[F][U]，[V][U]は，それぞれ「ふ」「う゛」となります．

例
ファイト【F'TO】，ウォン【WMQ】

[F,V]＋[子音キー]

拗音化キーとして右手薬指キー(R,N,V)を使うもの

★★★：拗音の打ち方(え行＋ゃぃゅぇょ)

拗音は[子音キー]＋[拗音化キー]＋[母音キー]の3ストロークで入力します．

通常のローマ字綴りでは[H]キーを用いる表記は，ACTでは，子音キーと同じ段(同じ並び)の同じ側の手の人差し指か薬指のどちらか打ちにくい指（い行＋ゃぃゅぇょの場合とは異なる指），で入力します．[H]キーは使えません．

• 第1ストロークが中指，薬指，小指の場合は，拗音化キーは同じ側の手の薬指となります．
• 第1ストロークが人差し指の場合は，拗音化キーは同じ側の手の人差し指を使います．

例
ディープ【DHI-PH】，ティンカーベル【TNXCA-BERU】

拗音化キーとして右手人差し指キー(G,H,M)を使うもの

拗音化キーとして右手薬指キー(R,N,V)を使うもの

★★：頻出拗音の省略打ち

• 「しゅう」「しょう」などのよく出てくる拗音は，同じ段の2ストロークで打てる
• ゅう：[子音キー]＋[同段中指]
• ょう：[子音キー]＋[同段小指]

拗音では，「uu」「ou」という2重母音を取るケースが多いです．前述の2重母音拡張を使えば3ストロークで打つことはできます．しかし，なるべくホームポジションに置いておいた方が楽なので，片手の2ストロークだけで打てる省略形を用意しています．

★★：拗音＋ク・ツの省略打ち

• 「しゅう」「しょう」などのよく出てくる拗音は，同じ段の3ストロークで打てる
• 拗音+く：3ストロークめを右手の母音と対称位置の指で打つ
• 拗音+つ：3ストロークめを右手中指で打つ
• ゅく：[子音キー]＋[拗音化キー]＋[同段人差し指]
• ょく：[子音キー]＋[拗音化キー]＋[同段薬指]
• ゃく：[子音キー]＋[拗音化キー]＋[同段小指]
• ゅつ：[子音キー]＋[拗音化キー]＋[同段中指]

拗音のあとにツが来るものは，Ｔのイメージから，3ストロークめに中指を使います．

★★：母音＋「き」「く」「つ」「っ」の省略打ち

[子音キー]＋[省略キー]＋[母音キー]の3ストロークで入力します．

子音キーと同じ段(同じ並び)の同じ側の手の人差し指で一番中央列のキーを使用します．

• 中央段に関しては，母音＋「つ」が入力できます．
• 下段に関しては，母音＋「っ」が入力できます．
• 上段に関しては，え段は母音＋「き」，それ以外は母音＋「く」が入力できます．
• あ行に関してはこの省略打ちは出来ません．

例
聞く【CFY】，極楽【GF,RF'】
実質【ZBXSDI】，発達【HD:TDA】

拗音化キーとして右手人差し指キー(F,D,B)を使うもの

拗音化キーとして左手薬指キー(,)を使うもの

★：頻出語句の省略打ち

• 右手の子音キーを，別々の段で２つタイプすることにより，頻出語句を入力します．

よく使う語句を簡単に入力できるようにしています．この部分の語句は人により頻度が違うと思いますので，自分用にカスタマイズした方がよいと思います． 他の基本ルールと混ざらないよう，同段のキー２つには割り当てないようにしています．

※左側が１打目，上側が２打目を表しています．

運指からの逆引き

子音側を打った後の運指を，指の位置からまとめたものです．