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ガイガーカウンターの自己ノイズ (2011/08/02)

ガイガーカウンターには自己ノイズがあって,低線量では高めに数値が出るという話を聞きます.

それを確かめるべく,鉛ブロックで囲み,4つの機種を中に入れて線量を測ってみました.

通常であれば,複数回測定して平均値を取るべきなのですが,今回は0.00になるかどうか?という視点で調べたので, 表示された中の線量率のうち,小さいものをピックアップして記載しています.
(あまりに値がばらつく場合は範囲で記載しています)

自己ノイズとして平均的に加算される線量率として見た場合,下記の数値は正しくなく, 実際はもっと大きな差があることになりますので,ご注意ください.

測定結果

機種検出器線量誤差
HORIBA PA-1000 Radi シンチレーション式 0.004μSv/h
RAE Systems DoseRAE2 シンチレーション式 0.01μSv/h
Polimaster PM1405 ガイガーミュラー管 0.00μSv/h 12%
Polimaster PM1610 ガイガーミュラー管 0.02μSv/h 16%

Radiが0.004μSv/hだったので,置き方がイマイチだったのかもしれません.
以前試したときは0.002μSv/hまで下がったので,もう少し工夫の余地がありそうです. 少し隙間が空いてしまったのがダメだったのでしょうか…
また時間があったらもう少し遮蔽力を上げて測定し直したいです.

PM1405は自己ノイズらしきものは無いように見えます.
(誤差が99%ではないので,ごく僅かな放射線は検出しているのだと思います)

DoseRAE2は桁数を考えれば,こちらもほぼ無しでしょうか.0.005以上だと四捨五入されて0.01表示になる可能性がありそうです.

一方,PM1610は0.02μSv/hと他に比べて明らかに高くなっています.これが自己ノイズでしょうか?
それぞれの測定器の線量比較でも,PM1610は高い傾向がありますので,この測定結果と一致します.
PM1610については,低線量では0.02μSv/hくらい差し引いて考えると良いのかもしれません.


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