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鉛ブロックでの方向別の遮蔽 (2011/08/02)

鉛ブロックで周囲の放射線を遮蔽するとき,どのように置くと効率良く遮蔽できるのか知りたいと思い, まずは東西南北と上下方向で,それぞれどの向きの放射線が多いか調べてみることにしました.
窓方向からが多いのかな?と考えていたので,それなら窓方向にブロックを多めに置く形とかが良いかと思いました.

実際にそのことを確認すべく,ブロックで厚さ15cmの壁を作って,そこに測定器を置き,東西南北の方向を測定.
その後,H型にブロックを積んで,南北方向はそれぞれ厚さ5cm(支え分),上下方向は厚さ10cmで測定しました.

結果,以下のようになりました.

東西南北方向

遮蔽した方向線量
東(窓方向) 0.034 ± 0.001μSv/h
西(建物中心方向) 0.033 ± 0.002μSv/h
0.032 ± 0.001μSv/h
0.034 ± 0.002μSv/h

差は無し.
マンションの中心方向の方がコンクリートや鉄筋などがあるので遮蔽されたりするのかと思ったのですが,そんなことも無いようです.
窓側からくるということもないようで,これは意外でした.
(もっと窓側に行けば変わってくるのかもしれませんが….窓からは数メートル離れた位置で測定しました)

上下方向

遮蔽した方向線量
0.018 ± 0.001μSv/h
0.024 ± 0.001μSv/h

高層マンションの真ん中くらいなので,上下に10枚くらいずつコンクリートの床があります.
これで結構遮蔽されるかなと思ったのですが…
鉛による遮蔽効果はかなりあるようで,普段部屋を測ると0.05~0.06μSv/hくらいですから,それよりだいぶ減っています.
意外とコンクリート突き抜けて届く量がおおいのか,よくわかりません.(^^;

なお,上下無しで支えの左右の5cmずつの鉛だけにしたら,目分量で平均して0.035前後くらいでした.

その辺を考えると,下,上,水平方向,の順で放射線の量が多いようです.

上下方向が高い理由(追記)

Twitterでコンクリートからでは?というご意見を頂きました.

今までコンクリートでの遮蔽効果ばっかり考えていて見落としていましたが, 確かにその考えの方が測定結果にあってそうです.
遮蔽はほぼ十分できていて,上下のコンクリートからの放射線で0.06μSv/hなのかも.


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